postmanの徒然日記

ムード歌謡と小説

(2012/01/28 Sat)
前にもお話ししましたが、いつもバックミュージックを流しながらの執筆です。で、先日は加山雄三さんが主でした。
♪しのび逢い ♪別れたあの人 なんぞは、ほんとに懐かしい歌でした。
特に好きな歌でして、昔はグラスを傾けながら、よく聞いていました。

でその後、フランク永井さんの
♪君恋し ♪有楽町で会いましょう ♪・・XYZ やら
橋幸夫さんの ♪京都・神戸・銀座 なんぞも。
久々に、ムード歌謡を堪能しました。

で、はたと思ったんです。
加山雄三さんの歌は、心地よく聴いたんです。
でもプロの歌は、違うんですよ。
何というか・・、やっぱり違うんですね。
響いてくるんですよね、心に。
聞き終わった後の、余韻というか・・
当時の加山さんは、やっぱりアマチュアなんですよね。
良い悪いじゃなくて、違うんです。
ワールドがね、ステージがね、まったく違うんですね。
いえいえ、だからといって、感動がないわけではありません。
アマチュアには、驚くほどの、爆発的なパワーが出ることもあるのですから。

実は、最近、「小説って、なんだ?」と、考えます。
先日、芥川賞の発表を見て、ショックを受けました。
一年三百六十五日、一日二十四時間、小説のことだけを考えて、没頭しているプロには勝てないや、と。
相当に落ち込みました。
というのも、ここのところ、心ここに在らず、でして。
体調の悪さを言い訳にしていましたが、ほんとのことのようですわ。
気力は、体力の裏付けがあってこそです。
病は気から、と言いますが、逆もまた有りだな、と。

で、考えました。
あるがままに、を。
焦っちゃだめだ、プロにはプロの。アマにはアマの。
人は人、己は己、だと。
ゆっくり行きます、ゆっくりと。
あとどれ程の時間が与えられているのか、分かりませんがね。
頭の中に渦巻いている種が、どれだけ結実するかは?ですけれども、
ケ・セラ・セラ と、行きましょう。

ムード歌謡から、とんでもないところに入っていきました。



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長編恋愛小説 〜ふたまわり・第二部〜(三十九)の一と二

(2012/01/28 Sat)
三部構成の、
大長編です。
どうぞ気長に、
読んでください。
実はこれ、
まだ執筆中なんです。
−−−−−

(一)

源之助はゆったりとした気分で、葉巻をくゆらせている。
一仕事終えた後のように、充足感にどっぷりと浸かっている。
「あなた、橘家さんからお電話です。」
奥方のどこか険のある声が、廊下から聞こえる。
喘息持ちの奥方には、葉巻の煙は厳禁だ。
「みねから、だと?」
自宅への電話など初めてのことだ。
何か良からぬことかと気が急く。
「どうした?」
「申し訳ございません。」
「うん、よろしくない。」
奥方が聞き耳を立てているであろうことを意識しての受け答えだ。
「実は、正三坊ちゃまがお見えになっております。」
「正三が?皆で騒いでいるのか?」
「いいえ!お一人でございます。
何だかお疲れのようで、『酒!』とひと言なんでこざいます。」
「そうか…、相当に堪えたようだな。分かった。
今夜はしこたま飲ませてやってくれ。
そうだ、先夜の芸者を呼んでやってくれんか。
いや、遅くでかまわんさ。遅いほうが良かろう。
で、明日はゆっくり寝かせてやってくれ。
役所は欠勤させるさ。
お前の機転で連絡したとかでも言ってやってくれ。
少し荒れるかもしれんな。
ま、よろしく頼む。」



(二)

受話器を置くと、すぐに奥方が飛んできた。
「正三さん、大丈夫でしょうね。大事な預かりものなのですから。
やはり、お泊めしたほうが宜しかったかしら。」
「いや、これでいい。橘の方がいい。
今夜はしこたま酔って、全てを洗い流せばいい。」
「少し可哀相な気もしますね、正三さん。」
「何を言うか!あんな竹田の分家如きの娘なぞ、話にならん!」
更に言いたげな奥方だったが、源之助の剣幕に押された。
“そうね・・。役所で出世するには、どうしても、ね。
でもどんな娘さんなのかしら、正三さんがこれほどに惚れ込むなんて。”

翌朝、夢を見た。
いや、夢であってほしいと、切に願う正三だ。
久方振りの小夜子は、銀幕のスターかと見紛うほどに、光り輝いていた。
傲然と正三の前に立ち、居すくまる正三を見下ろしている。
「許してください、本意ではありません。
僕の預かり知らぬところの、出来事なのです。
酔っていたのです、前後不覚になっていたのです。」
「そうだ!プロジェクトです。
僕、叔父さんの引き立てで、重要機密プロジェクトに参加しました。
幹部候補生になるべく、道が用意されているんです。」
「来年には東京大学に入ります。
卒業後には、課長職あたりに付く筈です。
次官になるべく、小夜子さんの為に日々奮闘しているんです。」
「小夜子さん、お願いです。
許してください、気の迷いなんです。
そうだ、きっと同僚に仕組まれたのです。
僕には何のことか分からぬ内に、なんです。」
そんな弁解の言葉を並べれば並べるほどに、深みに入ってしまう。
必死の形相で、懇願する正三。
もの言わぬ小夜子に、手すら合わせる。



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売れたの?

(2012/01/28 Sat)
これって、売れたの?

アメリカって、何でも売っちゃうんですね?
命名権なわけか。
実物のごきぶりを届けるわけではないわけか。
うーん・・そうか!
嫌がらせにいかが?という商法?



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長編恋愛小説 〜ふたまわり・第二部〜(三十八)の九と十

(2012/01/22 Sun)
三部構成の、
大長編です。
どうぞ気長に、
読んでください。
実はこれ、
まだ執筆中なんです。
−−−−−


深くうな垂れたままの正三に対し、更に源之助の言葉はきつかった。
「英会話の方は、確かに通っていたようだ。
しかし、キャバレー勤めは間違いがない。
女給ではない、言い張ったということだ。
客の求めに応じて、煙草を運ぶ役目らしい。」
菓子を口に運び、茶をすすり、もったいぶっての源之助だった。
耳に手を当て源之助の言を遮断したいと思う正三だが、その一方で心が騒ぐ。
「そこで、御手洗と言う男に目を付けたというわけだ。
どんな手練手管を使ったかは知らん。
しかし程なく、あれこれと贈り物をされ始めたらしい。」

もう正三の耳には届かない。何も聞こえない。
“まさか・・まさか・・”
その言葉が頭の中で、グルグルと反復している。
つい先ほどまでの否定する思いが、ガラガラと音を立てて崩れていく。
目的のためにはどんな苦労もいとわぬ、と強い気持ちを持つ小夜子。
己の行く道を阻むものには、容赦ない攻撃をする小夜子。
そしてあの夜、垣間見せた妖艶な表情。
“ひょっとして・・”
恐ろしい言葉が、とうとう浮かんでしまった。




憔悴しきった正三に、源之助は優しく声をかけた。
「今のお前には辛いだろうが、現実を受け入れなさい。
さぁ、夕食を食しようじゃないか。
うん?今夜は、お前の大好物を用意したらしいぞ。」
しかし今の正三には、食事どころではない。
いや、源之助の言葉が耳に入らない。
激しい葛藤が渦巻いている。

“どうして、待っててくれなかったんですか・・”
“どうして、葉書の一枚が出せなかったのか・・”

後悔の念に苛まれる正三、ふらふらと立ち上がると
「帰ります、帰ります・・小夜子さんの所に、帰ります・・」
と呪文のように呟き続けた。
「正三さん、どうしたの?
あなたの好きなすき焼きですよ。
食べていらっしゃいな、正三さん。」
そんな奥方の声にも何の反応も示さず、呪文を繰り返すだけだった。
「あなた、あなた!正三さんが、帰られますよ。あなた、あなた!」
慌てて源之助を呼ぶ奥方に
「いいんだ、帰らせてやりなさい。
今夜はそのままでいい。
頭を冷やせる時間がいるだろう。」と、応じなかった。



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長編恋愛小説 〜ふたまわり・第二部〜(三十八)の七と八

(2012/01/21 Sat)
三部構成の、
大長編です。
どうぞ気長に、
読んでください。
実はこれ、
まだ執筆中なんです。
−−−−−


“女?立派な女?どういう意味だ?
加藤家を辞しているって、どこに、どこに移ったというのか。
僕を為にするための戯れ言か?
いや、叔父が、僕ごときに弄されるとは思えない。”
「嘘ではないぞ、確かなことだ。
嫁ぎ先に確認をしたことだ。」
「お、叔父さん。
嫁ぎ先って、本当ですか!」
思わず、語気鋭く詰め寄った。

「信じられない、そんなこと。
あれほど固く約束をしたんだ。
接吻までしての、約束事だ。
信じられない、断じて違う!」
源之助にというよりは、己に言い聞かせる言葉だった。
確かに不安はあった。
ひと言の連絡も入れていないのだ。
東京に着いたことすら伝えていない。
同じ街で同じ空気を吸いながら、己の気配すら感じさせていない。
缶詰状態の中で、日夜をプロジェクトに費やしてしまった。

「男をたぶらかして、その男の家に転がり込んだようだ。
キャバレーで煙草売りをする傍ら、男の値踏みをしていたようだな。」
勝ち誇った言い草だった。
多分に源之助の創作を入れながら、思い切り小夜子を貶めた。
「信じられない・・信じられない。
そんな方じゃない、誇り高い女性なんだ、小夜子さんは。」
何度もかぶりを振って、否定する正三だ。
しかし源之助は、畳み掛ける。




「会社経営をしている男だが、ころりと小娘に騙されよった。
ふん、小物だな。
雑貨品を扱っているというが、ちまちまとした小商いだろう。」
どうしても、武蔵を認めたくなかった。
政府筋ではなくGHQ絡みと分かった折には、
関わりを持ちたくない相手だと思った。
信じられんか?だったら、自分の目で確かめてくればいい。
今度の休みにでも行って来なさい。
住所は、ここだ。」
源之助の差し出す便箋は、目に入らない。

「違う、違う。何かの間違いだ。
そうに決まっている、あの小夜子さんが。僕を裏切る筈がない。
伯父さん、人違いじゃありませんか?」
すがるような正三に、源之助は厳しく宣した。
「いい加減にしなさい!
いつまでも、未練たらしいぞ。
お前も男だろう、笑って許してやれ。
独りきりの東京がどれほどに厳しいものか、まして女だ。
分かってやれ、正三。」



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